マカロニカ 北野勇作
うん、マカロニ化ですよ、ようするに。消化管のまわりにいろいろ付いてるだけだからね、いちばん単純化するとそうなります。その方向を選んだ者たちの世界、マカロニカ、ですよ。棚に収まって伸びる。伸びるだけ伸びたら、くねっと曲がって別のところから出る。で、折れる。だいたい上の段からは下の段、下の段からは上の段に出る。その繰り返しで空間を満たしていく。そういう方向性と世界観。えっ、ああ、あれ。あれはねえ、折れ曲がって出るときに、ただ出るだけじゃなくて、自分の中に出てみたり、他人の中に出てみたり、つまりマカロニの中に出る。マカロニ内マカロニ、ですかね。なんかそういうやつもいるんだなあ。なんていうか、他との違いが欲しいっていうか、個性が欲しい、とかそんなのですかね。マカロニ化を選んだくせにねえ。マカロニにも色々、ですね。えっ、そうそうそう、文字みたいにも見えます、たしかに。実際、あれが文字表現なんじゃないか、なんて説もありますし。いやしかし、そんなこと考えますかねえ、マカロニが。文字っていうより、あれはやっぱり顔なんじゃないかなあ。そりゃ丸がみっつ並んでるだけで顔に見えたりしますけどね、でもほら、なんか言いたそうな顔に見えるじゃないですか。えっ、そういう文字、ですか? ああ、顔文字、とか?
北野勇作
小説を書いてます。
大喜利に参加させてもらいます。